陶器とは


 「焼物」は「磁器と陶器」の二つに分けることが出来ます。
磁器と陶器、わかり易いものでいうと
磁器は白磁に代表されるような肌の白いつるりとしたシャープな器、
陶器は備前焼きに代表されるようなザラザラぽってりとした器。

 磁器は成分的にいうとガラスに近く、太陽にかざすと光が透けて見えます。
陶器は光がすけることはありません。

 もう一つ、
磁器と陶器の大きな違いの一つに吸水性の有無があります。
磁器には無く、陶器には有る。という事です。
極端にいうと
陶器は水の中につけておくと水分を吸い続けます。

ですので実際に使っていると、
湿り気や水分を含んだり、乾燥をしたりと様々な状態にあるわけです。
「無機質で硬いもの」というイメージのある陶器ですが
ひっそりと呼吸をしている生き物のように思えます。

 陶器は扱い方や周りの環境に大きな影響を受けます。
それだけに
気持ちを込めて接すると、それに応えるかのような表情を見せ始めます。

 使い手の気持ちで育つ器、それが陶器です。

<back>